低学年の方が優秀?!高学年、中学生はもっと国語を頑張らないといけないわけ

2022年03月23日

今年の「漢検」協会のポスターの一つです。なかなかイカしていますね。そう。

国語ができなきゃ、なにも勉強できません。

ご存じの通り、国語道場は大好評の読書指導「ことばの学校」を西千葉地区で独占的に提供しているのですが、その「ことばの学校」事務局から以前届いたニュースレターが、なかなか興味深いものだったので、ご紹介したいと思います。いや、興味深いというよりも、ちょっと怖いなと言った方がいいかもしれません。

写真が見えにくくて申し訳ないのですが、全国の「ことばの学校」受講者が何の本を読んでいるかを学年別にランキングにしたものです。

国語道場の生徒何人かに、パッと見た感想を聞いたところ、異口同音に、

「高学年・中学生の読んでいる本、レベルが低くないですか?」

と言っていました。私も同感です。小学5・6年生・中学生が多く読んでいる本の言葉のレベルは、それぞれの学年に比べて易しいものばかりです。

これまた見にくくて申し訳ないのですが、それぞれの本の写真の左下に、小さくアルファベットと数字の記号が記されているのがお分かりになるでしょうか。例えば一番右上の、小学1年生の受講生が一番多く読んでいる本である『こまったさんのカレーライス』には、A1-08という記号が付されています。この最初のアルファベットは、おおむね学年のレベルを表しています。Aは1年生の国語教科書と同じくらいの語彙が出てくる本、Bは2年生、といった形です。「ことばの学校」ではこれをグレードと呼んでいます。

上のランキングを見てみますと、小学1・2年生が読んでいる本はAグレード~Bグレード、3・4年生が読んでいる本はCグレードということで、おおむねその学年の国語教科書に出てくる言葉のレベルで書かれた本です。この調子で学習を進めていっていれば、全く問題がないと言えます。

心配なのはそこから先です。小学5・6年生が読んでいる本はほとんどがCグレード、中学1・2年生はすべてDグレードとあります。すなわち、小学5・6年生の多くが、実際には小学3~4年生くらいの語彙力しか持っておらず、中学1・2年生は小学4~5年生程度の語彙力であることを表しています。

 「ことばの学校」受講者は、小学校高学年以降全く成長しないということではありません。塾に通うお子さんは、小学校低学年は割合として少なく、小学校高学年、中学生と、一気に多くなります。これの意味するところは、つまり小学校高学年や中学生になってから入塾してくるお子さんには、現実として小学校低学年レベルの語彙力しか持ち合わせていない人が多いということです。

これは、国語道場を運営しているうえでの皮膚感覚とも大いに一致します。

小学校低学年のお子さんは、ほとんどの場合学年相当の語彙で書かれた本を読むことができ、その後も順調に語彙力を伸ばしていきます。語彙力は、理解力に相関します。語彙力の高いお子さんは理解力が高いので、学力テストなどの成績もよいことになります。

一方、小学校高学年や中学生になって、「国語が苦手」とか「読解力がない」ということで塾に入ってこられるお子さんですと、検査してみると、日本語語彙力が小学3・4年生レベル、深刻なケースだと小学2・3年生レベルということが多いです。こんな日本語語彙力では、「国語が苦手」とか「読解力がない」とかいう問題ではなく、そもそも日本語力が十分に身についていないと申し上げざるを得ません。当然ながら算数などもできなくなっていきます。

本当に、小学校高学年や中学生で、「国語力がない」、「読解力がない」などと思われるようでしたら、極めて深刻な日本語力の状況にあると思って間違いありません。よっぽどの覚悟で国語の勉強に取り組まなければならないと言えます。

一般的な塾では、例えば小学6年生なら小6のテキスト、中学2年生なら中2のテキストを使って勉強させていると思いますが、小学校高学年や中学生で「国語が苦手」というお子さんの場合、これはまず何の意味もありません。一人ひとりの国語力に合わせた教材を選定し、指導していく必要があります。

国語道場では、まず学習指導に先立ちまして、最初に簡易的な語彙力検査を実施しています。これによって、お子さん方ひとりひとりの現在の日本語力を把握することができ、それぞれに合った教材を選び、ぴったりの学習指導を実施することができます。それによって効果的に国語力を伸ばし、さらに全体的な学力・成績を向上させることができるのです。