生徒の成績を上げるために塾ができること

2014年09月22日

第2回定期テスト(前期期末テスト)の成績が出揃ってきました。今回は特に、道場に1年以上通っている中3生が好調でした。全員が過去最高得点で、5教科で一人平均50点アップ!最も得点の伸びが小さかった生徒でも、+45点。自分の塾生たちながら、道場の生徒たちは本当によく勉強するなぁと思っていますが、その成果がここに来て結果に結びついたと思います。

今週は学年順位も出揃うようですね。とても楽しみです。

まあ、実際のところテストの難度が変われば点数の取りやすさも変わります。そういう意味では単にテストの点数が上がったということで喜ぶのはいささか愚かしいことではあります(事実そういう塾さんの広告も少なくありません)。しかし、今回の結果は、道場としてテストに向けて取り組んできたことがそれに結びついたと考えられるという意味で、非常に有意義だったと考えています。

まず、準備段階として7月中に夏休みの宿題をほぼ全て終わらせるというところから始まり、8月前半は既習事項を徹底的に復習させ苦手単元を克服させる、8月後半からは試験範囲の内容を繰り返し復習させる、といった私の意図を、生徒たちも講師たちもしっかりと理解し、相当程度確実にやりこなしてくれました。これから先、生徒たちの学力をさらに向上させて行くことにつながる経験だったと思います。

ところで、子どもたちの成績を上げているかどうかで塾が評価されるのは当然のことです。ところが、成績で評価するというのは結果論であって、しかもその成績を出すのは自分ではなくて、教えている生徒というところがなんとも悩ましいところです。生徒の代わりにテストを受けるわけにもいきませんし、成績を勝手に書き換えてしまうなんてこともできません。私たちにできることは、あくまで子どもたちの日々の取り組みを改善し続けること、私たち自身の指導の内容を改善し続けること、これだけなのです。つまり、私たちはプロセスを改善し続けて結果に結びつけるしか出来ないということなのです。

そうであるからこそ、成績を上げること以上に、塾にしかできない大切なことがあります。

実のところ、道場にも、点数が下がってしまったという生徒はいます。このことをもって、塾に行っているのに成績が下がるとは何事かという批判があれば、それは甘んじて受けたいと思います。しかしながら、先ほど申しましたとおり、我々にできることは、プロセスの改善だけなのです。成績はその努力の結果に過ぎません。ですから、残念ながら成績をあげることができなかった生徒たちに対しては、その子たちの勉強への取り組みを評価してあげること、それが塾の大切な役割だと思います。

問題を解く上で基本的な手順を守ろうとしているかどうか、諦めずに考えようとしているかどうか、結果的に間違っているとしても、自分なりに根拠を持って答えを出そうとしているかどうか。こうした勉強への取り組みがしっかりとしていれば、いずれ成績は上がっていきます。仮に直近のテストで高得点が取れなかったとしても、それまでの取り組みをきちんと評価し、褒め励ましてあげること。これこそが塾にしかできない大切な務めです。

成績の下がってしまった子どもを褒める。これは学校でもご家庭でも難しいことでしょう。しかし、一人一人の取り組みを知っている塾であれば、それが可能です。そして、そうした関わりの中から生まれる信頼関係が、近い将来の成績アップにつながるのだろうと思います。