2014年01月22日 00:44

なぜ高校受験模試の合否判定は外れるのか

日経BPから『日経ホームマガジン 偏差値のカラクリ 数字の正しい読み方教えます』というムックが出ていますね。

特別お勧めするほどのものでもありません。ただ、世間一般に、これが正しい基準であるかのように思いこまれているものについて、いろいろな角度から考えてみるのは良いことだと思います。

この手の雑誌、読者の多くがお子さんを中高一貫校に入れたいと考える親御さんであるためか、中学受験と大学受験の情報中心で、高校受験についてはほとんど見るものがないですね。そういうわけで、高校受験と模擬試験の成績表について少々書いておこうと思います。

模擬試験の成績表というと、紙面の大半がこれでもかというくらい、志望校の合否判定に占められています。そこで突然ですが、

高校受験用の模試の合否判定と、中学受験・大学受験用の模試のそれとの違いが分かりますか?

こんなこと、考えたこともないチェーン塾の室長さんとか、結構いるんでしょうね。「C判定だから受かるか受からないかは半々くらいかな」とか言ってる室長さん、まるっきり間違いではないけれども、それじゃ能力が中学生レベルですから!残念っ!(古…)

まぁ、ブラック企業系のチェーン塾さんだと、社員がコロコロ入れ替わるので、進路指導ノウハウが蓄積されないんですよね。国語道場はじめ、プロフェッショナルな塾人が運営している塾では、中学生が模試の成績表を見るのと同レベルの進路指導はしません。というより、進路指導に模試の合否判定なんか使いません。

さて、先ほどの問いの答えですが、進学研究会さんの進研Vもぎや、総進図書さんの総進Sもぎなど、高校受験用模試の合否判定と、首都圏模試など中学受験用模試や代ゼミ模試など大学受験の模試における合否判定との違いは、高校受験用模試は過去の実績から推定していることと、中学・大学受験用模試はその時の動態から推定していることとの違いです。

もうちょっときちんと説明しましょう。代表的な高校受験用模試の合否判定は次のようにして出しています。まず偏差値を1~2の幅の階級に分け、それぞれの階級で過去の入試で合格した者と不合格になった者との割合を、高校ごとに集計します。その各階級の合格者の割合が、高校受験用模試の合格可能性○○%の数字です。それに対し、中学受験用や大学受験用模試の合否判定は、受験者の志望状況からその模試が実施された時点での志望者数と偏差値階級ごとの受験者の割合を推定し、各学校や学部学科ごとの志望者の中から上位何%の位置にいるかというところから算出していると思われます。

代表的な高校受験用模試の判定が、過去にそれぞれの高校にどれくらいの偏差値の受験生が合格したのかを知る上で、大変役に立つことは間違いありません。しかし、各校の受験者数や学力の分布は、毎年毎年変わります。特に昨今の千葉県公立高校入試のように、制度がしばしば変更されると、受験者の流れが大きく変わってしまいます。だから、過去の受験者の学力分布といっていい高校受験用模試の合否判定なんかを見ても、実際自分が受験する時の状況と同じである保証はありませんし、実際に異なっていることが多いです。

そこで、いま目の前にいる受験生のために本当に必要な合否判定は、受験生の模試偏差値やテスト会社が提供してくれる資料、志望校調査に関するデータなどを使って、改めて作り直さなければいけません。国語道場が塾生の受験生に提供している合否判定資料の作り方を、ここで詳しく書くわけにはいきませんが(もっとも分かる人には大体想像がつくと思いますが)、過去の受験データの集積である模試の合否判定をそのまま使っているような進路指導と、これから受験する受験生にとって本当に必要な“今”のデータで作られた合否判定による進路指導とでは、当然結果に差があるわけです。旧桜友進学会時代を含め、公立高校の受験者の合格率90%超を十数年も維持し続けることができるのは、決して偶然ではないということを知っていただければと思います。

追記:Wikipediaの河合塾全統模試の説明を見ていると、こちらは過去のデータ派であるように読めます。他の中学受験用・大学受験用模試にも、過去のデータ集積から合否判定を出すものがあるかもしれません。

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