2014年10月14日 01:40

子どもの自己肯定感が第一

例えば、お子さんの学年順位が、前回のテストより1つ上がったとします。それをどのように捉えられますか?

「あまり成績が上がっていない」と思ったり言ったりされるようなら、親として一番やってはいけないことをやってしまっているというお話です。

数ヶ月前、息子の中学校の吹奏楽部が、千葉女子高校のオーケストラ部と合同練習をするというので、ずうずうしく見学させていただきました。女子高オーケストラ部顧問のY先生や保護者の皆様が歓待してくださいまして、色々と興味深いお話をしてくださいました。

千葉女子高校のオーケストラ部は3年おきにヨーロッパ公演をしているとのことですが、スイスの学生オーケストラとの合同練習でのこと。当地の学生さんは、日本の我々の感覚でちょっと厳し目に注意されると、かなり落ち込んでしまうそうで、そのまま部屋から出て行ってしまうこともあるそうです。あまり厳しく叱られることにそもそも慣れていないのではないかとY先生は仰っていました。

昔の私を知っている人ですと意外に思われるかもしれませんが、以前私は子どもたちに結構厳しいことを言う人間だったのですが、ある時からしないように努めています。そのほうが明らかに子どもたちが伸びるからなんですが、Y先生のお話には我が意を得たりという感じがいたしました。

内閣府は、毎年若者の意識調査をして発表しているのですが、平成26年度版では、日本・韓国・アメリカ・イギリス・ドイツ・フランス・スウェーデンの7カ国の比較調査が出ていて、大変興味深いです。

↓このベネッセさんの記事がよくまとまっています

https://benesse.jp/blog/20140707/p1.html

注目すべきなのは、日本人の若者が、これらの国々の中で突出して自己肯定感が低く、自信がないということでしょう。

先ほどのスイスの若者の話をお読みになって、「なんと軟弱な」と思われた方もいるかもしれません。しかし、こうした調査から日本の若者の極端な自信のなさが明らかになることで、むしろ子育て・教育と称して、子どもの悪いところばかり言うことを当たり前と考える大人がたくさんいる日本社会の異常さが浮かび上がってくるのではないでしょうか。

冒頭の例に戻りましょう。お子さんのテストで学年順位が1個だけ上がったとしましょう。学校が学年順位を出すこと自体の是非もありますが、まずここはよくやったと褒め、抱きしめてあげるくらいのことをするのが正解ですね。

ここで、「あんまり成績が上がっていない」と思ったり言ったりされるとすると、それは先進文明国家の親としては、かなり異常なものの感じ方、行動をしているのだとお考えになったほうが良いかもしれません。

まして、良かったところをスルーして、悪かったところをほじくり返してあげつらい、叱るなんてことは論外。虐待だと言っていいとさえ思います。

私は、立場上、小学生から大学生までの若者と日々接しています。その中で、彼らの自己肯定感の低さについては、本当に危機的なものを感じます。

彼らに自分について語ってもらうと、欠点ばかりを言います。成績も生活態度もさして問題がなく、むしろ頑張っているなと思われる点が幾つもあるようなお子さんでも、「自分の長所はわからない」なんてことを言います。

皆さんのご家庭でも、是非ご自分のお子さんと語り合ってほしいと思います。もしお子さんが自分の欠点ばかり思いつき、長所を言えないようであれば、ご家庭や学校などが、子どもをけなす環境になっているのかもしれません。

子育ての本来の目的が、子どもを自分の頭で考え、自分の力で食っていける人間に育てることであるならば、少しくらい人より頭が良くても自分の欠点しか思いつかないような人間と、多少吹かし気味でも、「俺はここを頑張った」、「私はこれを出来ます」と自信を持って言える人間とどちらに育つのが良いかは言うまでもありません。

もっとも、国語道場は子どもに自己肯定感を持たせつつ、成績を上げることは可能だと思っていますが。

若者の自己肯定感の低さということとの関係でさらに憂慮すべきことに、日本の若者の自殺の多さがあります。内閣府が発表している「自殺対策白書」によりますと、日本の15歳~34歳の若い世代の死因第1位は自殺で、先進7カ国の中では唯一で、自殺率もとりわけ高いことが明らかになっています。

若者の自殺原因の内訳で、就労問題(就職失敗など)が増加傾向にあると言われています。

↓内閣府の分析(平成25年度)

https://www8.cao.go.jp/jisatsutaisaku/whitepaper/w-2013/html/gaiyou/feature03.html#f17

大人から見ると、就活に失敗したくらいのことで自殺するのかと思われるところもあるかもしれません。しかし、勉強と違って、就活や仕事がうまくいくかどうかは、個人の努力ではどうにもならないことが多々あります。そんな時でも、自分ならなんとか乗り切れるのではないかと頑張り続けられるのは、自信があるかどうかにかかってくるのだろうと思います。社会人としての経験の浅い若者に自己肯定感が低ければ、それは(大人から見て)ちょっとした失敗をきっかけに死を選ぶということにつながりやすくなるのではないでしょうか。

「うちの子、塾でちゃんとやっています?」

保護者の方々から何千回伺ったかしれない質問です。国語道場の生徒たちはほんとうによく勉強しますので、どうしてそんなことを聞かれるのかなあと思うことしばしばです。何気ない質問ですが、それが自分の子どもに対する不信の表れで、子どもをけなす「子育て」につながっているのかもしれないと思うと、いささか恐ろしく思われもします。

とにかくも保護者の皆さんに申し上げたいことは、あなたのお子さんは塾でちゃんとやっているのはもちろん、素晴らしい、最高のお子さんだということです。どうかお子さんのことを信じ、何かちょっとでも良いことがあったら共に喜んで、抱きしめてあげてください。

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