2014年09月02日 02:45

子ども体験教室が多すぎる

お母様方にとって、苦しい苦しい夏休みがようやく終わりましたね。本当にお疲れ様でした。

夏休みは子どもたちにとって既習事項の復習をする絶好の時期ですので、塾は夏期講習を大々的に実施しています。しかし、テレビの報道で見たところでは、最近は勉強以外の「体験教室」がたくさんあって、どこもなかなかの盛況のようですね。

科学実験教室は塾でも開催しているところもありますね。英語だけで子どもたちが共同生活を送るイングリッシュ・キャンプ、面白いところではお寺が企画する座禅体験もあるそうです。千葉市では、数年前から子どもたちが仮想の町を運営するというものもありますね。どれも非常に興味深く、私も中学生と小学生の息子と娘を、いくつかのイベントに参加させました。

しかし、こういうイベントに必ずいるのが、なんだか「死んだ目」の子。いまひとつ積極的でなかったり、親からやらされてる感満々だったりというお子さん、必ずいますね。

こういうお子さんについては、もったいないなぁ、残念だなぁと思うのですが、そればかりではなく、心配に思うこともあります。この調子で、勉強もいやいやしぶしぶやっているんじゃないかなぁということです。こういう場合、またはこうならないように、なかなか難しいことですが親としては配慮が必要です。

まず、大人の視点でよさそうに見えるイベントが、すべて子どもにとってよい結果につながるとは限らないことを理解しなければなりません。子どもによくよく確認して、絶対拒否とか、あまり乗り気でないといったことであれば、無理に参加させないほうがよろしい。

たしかに、子どもは自分のよく知らないことをやるようにいわれると、面倒くさがったり、嫌がったりする傾向があります。だから子どもが少しばかりやりたがらないからといって、何もやらせないということでは大変な機会損失になってしまうので、難しいところもあります。しかし、少なくとも親としては、そのイベントに参加させたい趣旨を説明して、それでも積極的でないということであるならば、潔くあきらめるということも必要でしょう。

夏休みでも普段の時期でも、子どもがやるべきこと、親としてやらせたいことを整理し、優先順位をつけることは重要です。そうしてみると、本来優先順位の筆頭に来るべき勉強が、イベントや習い事に圧迫されていることがあることに気づくでしょう。これでは、勉強が子どもたちにとってそれほど重要ではないといった間違った観念を教えているようなものです。

子どものキャパシティに配慮することも大切です。イベントに参加させたり習い事を入れても、絶対にこなさなければいけない勉強をしっかりとできるのかどうか、判断してあげなければなりません。男の子は、一般的に同年代の女の子よりも処理能力が劣る場合が多いですが、特にお母様は、そうだからといって自分のお子さんがだめだというわけでは全くないということを理解し、何をやらせるかをよく考えることが肝要です。

最近の脳科学では、ボーっとすることが脳にとって大切だなどといわれています。そういう点からも、子どもたちが一週間毎日のように習い事に追いまくられていたり、連日のイベントでアップアップしていたりするのはよくないのだろうなぁと推察されるわけです。とはいえ、何かやらせずにはいられないという親御さんの気持ちも分かります。

何もやらせずに自由にさせておいたら、ゲームやスマホばっかりやってしまうじゃないか、ということですよね。私も、若いころだったら、そんなもの子どもに買い与えなければいいではないかと切り捨てていたかもしれませんが、実際に自分で子どもを持ってみると、一切何も買ってやらないということも、これまた非常に難しい。自分で子どもにゲーム機やスマホを買い与えておいて、今度はそれをやらせないようにすることを考えなければならないなんて、何だか自分で火をつけておいて、それを必死で消火するようなことを考えなければいけないという感じですね。人生の悲喜劇!なんとも悩ましいことです。

千葉大の藤川大祐教授は、最近のブログで、「スマホの利用時間が長いということは、子どもが家庭(や学校)で非リア充だということでしかないと考えられます」と書いていらっしゃいますが、この記事は、われわれ親がどうしたらよいのか考える参考になると思いました。 https://dfujikawa.cocolog-nifty.com/jugyo/2014/08/post-4941.html

藤川教授は、最近公表された全国学力テストの調査で、スマホの利用時間の長い児童・生徒は成績が悪いという結果が出ていることについて、これを因果関係と捉えるべきではないとおっしゃっています。

どういうことかというと、スマホを長時間触ることが原因で学習成績が下がるという結果が出るのではなく、スマホばかりいじってしまう環境にある子は学習成績が悪い傾向があると考えられるという風に理解するべきだと言われているわけです。規則正しい生活ができておらず、親子の話題、スマホやゲーム以外の楽しみがない子どもは、スマホに長時間慰みを求めるしかなくなり、そういう状況にある子どもの成績はよくないことが多いということですね。

逆に、藤川教授の言う「リア充」、「朝食を毎日食べ、規則正しい生活をし、家の人とコミュニケーションをとり、自尊感情や規範意識を」持っていて、「家庭環境が安定していて、気持ちよく生活している」子どもたちは、ゲームやスマホをいじってばかりいる風にはなりにくいということですね。そうであるならば、ゲームやスマホから遠ざけるという結果ばかりを追い求め、子どもの適性を無視して、子どもを習い事やイベントでがんじがらめにすることを考えるよりも、子どもの日常をいかにちゃんとしたものにするかに力を入れるほうが、はるかに生産的であるように思います。

ちゃんとした日常を送っている子どもにとっては、毎日は「体験学習」のようなものかもしれません。日常が充実しているということは、何気ない親子の会話やそれこそ毎日の通学路の中にも、何らかの学びを見出すことができるということであろうからです。日常に学びを見出せる人間であるならば、何かたった1つの体験教室に参加するだけで、本当に多くのことを学べるようになっていることでしょう。

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