多くのお子さんは読解力がないのではなくて、読解力以前の力がないというのが現実です

2022年03月17日

今日は午前中に千葉学習塾協同組合の国語科指導の勉強会があり、それにオンラインで参加しました。基礎的な国語力をつける実践的な取り組みについての研修で、ぜひともこれは参考にさせていただこうという事例がたくさんありました。

そもそも国語力とは何ぞやということですけれども、小・中学生が身につけるべきものとしては語彙など言葉についての知識と書かれていることを自分なりに理解しながら読む習慣を身につけることだと、私は考えています。

現実には、子どもの国語力そのものを鍛えようという取り組みを行っている塾(国語道場はもちろんそうですが)は、まだまだ少数派なのかなといった印象を持っています。

多くの塾では、例えば小学5年生なら「小5の国語」のテキストを渡して授業をし、できないお子さんには「おたくのお子さんは読解力がないですね」と言って終わりにしてしまっています。ではその「小5の国語」ができるようになる読解力をどうやったら身につけられるのか。そういう問題に真摯に向き合って、改善していこうという取り組みを行っている塾は多くありません。

私がこれまで多くのお子さん方を指導させていただいた経験から言えることなのですが、「読解力がない」というお子さんの大多数は、そもそも読解力以前の力を持ち合わせていません。どういうことかというと、書いてあることを自分の頭の中で理解しながら読む習慣がもともとないということです。

こうした読解力以前の力のない人が言う「読む」こととは、いわばただ文字を眺めているだけにすぎません。しかし、それを本人は読むことだと思っているので、自分が読めていないことを自覚することができません。これは非常に厄介な問題です。

あまりに見当ちがいな答えを書いてくるお子さんに対し、

「ちゃんと読んでるの?」

と質問すると、たいてい

「はい。ちゃんと読んでますよ」

と答えます。このように、自分が読めていないことを自力で理解するというのは、ほとんど不可能に近いのです。

実際には読解力以前の力がないお子さんのためには、まずは書いてあることをまともに読む習慣を身につけさせなければなりません。しかし、これが一般的な塾ではできません。なぜなら、彼らは、子どもが文章を読めていないことを、「読解力がない」と判定することしかできないからです。

まず書かれている文章にしっかりと取り組む習慣をつけさせる。そのためのメソッドとして、やはり国語道場で行っている読書指導「ことばの学校」は最高・最強のものだという認識を新たにしました。

「ことばの学校」の中心的なアクティビティは、朗読音声を聞きながら本を丸ごと読んでいくことにあります。朗読音声で正しいイントネーションの日本語を聞きながら本を読んでいくので、内容が理解しやすくなり、集中して活字に向き合えるようになります。問題文をろくに読まずに問題集やテストで間違いを犯すようなお子さんであれば、文章をまともに読むようになるだけで数十点点数を拾えるようになるはずです。

一冊一冊の本についてワークがついています。これによって、本の中でだれが何をどうしてどうなったかが整理されて頭に残るようになり、文章中に出てきた言葉や表現を効果的に身に着けることができます。語彙力・読解力テストで、「ことばの学校」受講者が、非受講者に比べて語彙力も正確な読解力も高いことが実証されています。

このように「ことばの学校」は、小・中学生が身につけるべき国語力である語彙などの言葉の知識と文章にまともに向き合って読む習慣とを、非常にバランスよくなおかつ効果的に習得させることができます。