子どもには○○○○に触れさせたい

2024年04月01日

早いもので、2024年も3分の1が終わり、今日から4月。

昨日は、池袋にある東京芸術劇場大ホールにて、千葉県少年少女オーケストラの定期演奏会に行ってきました。国語道場の卒業生も在籍していまして、その頑張っている姿が見られてよかったです。

千葉県少年少女オーケストラは、千葉県内で選抜された20歳までの子どもたちによるオーケストラで、平たく言うとかなり上手です。これまでに共演したプロの演奏家が口をそろえて称賛している通りです。昨日の演奏会のようすは、4月14日・20日に千葉テレビで放送されるそうなので、ぜひご覧になってみてください。初めて見る方は、度肝を抜かれること必定。

昨日の演奏会でタクトを取ったのは、日本を代表する指揮者の一人の井上道義さん。ご存じの方も多いかと思いますが、今年2024年をもって引退を表明しています。千葉県少年少女オーケストラとは何度も共演しているのは、厚い信頼関係によるものでしょう。

数々の名演奏のほかに強く印象に残っているのは、井上さんがオーケストラのメンバーについて「ぼくはいっさい子ども扱いしない」という言葉です。

このオーケストラのメンバーは子どもですが、いかにも子どもがやるようなプログラムは組みません。プロや大学生のオーケストラが演奏するものと同様の楽曲に取り組んでいます。音楽監督の佐治薫子さんやコーチの方々も、やはり大人と同じように指導するというと変ですが、演奏する楽曲が必要とするレベルで演奏できるように指導されていることと思います。そこがすばらしい。

つまり、子どもたちにホンモノを与えているのだと思います。

こう考えてきて思い出すのは、大正時代に日本で初めて創刊された子どものための文芸誌「赤い鳥」の鈴木三重吉。鈴木は「赤い鳥」のために、芥川龍之介や島崎藤村、泉鏡花などなど当時の超一流の作家たちに執筆を依頼しているのですが、子ども相手だからと言って侮ってはいけないと伝えていたといいます。

真に心ある大人の方々には、子どもたちにコドモダマシのものを与えるのでなく、どんどんホンモノに触れさせてほしいとこいねがいます。

ちなみに、国語道場の読書指導「ことばの学校」。350冊もの良書を多読していくプログラムですが、これも名作をまるまる読ませるという点で、子どもたちにホンモノに触れさせるものです。